家財道具を自宅に置きっぱなしで気軽に避難ができるのだろうか

考えてみれば滑稽な話ですよね。避難先を確保するという一点に絞れば、日本列島は、何処かで海に面しているわけで、フェリーを掻き集めるなりして送り込めば良い。自衛艦でも構わない。中古のフェリーをモスボールして何処かに繋いでおくことだって出来る。でも、それはアイディア段階で止まるんですよね。誰も自分の家から徒歩圏内を離れようとしないから。
(中略)
毎度毎度の体育館暮らしの風景をテレビで見ていると、この国はいつまで経ってもロジスティックスの教訓が実に付かない民族だなと呆れるんですが。

学習効果: 大石英司の代替空港

これとか、またよく不便な体育館にいつまでもいないで、周辺の親戚の家とかにいればいいじゃん、みたいな意見を見かけるんですが。
例えば、



「はい、じゃあですねー、今日から港に救助船が来てますので、皆さん不便な体育館なんかよりもずっと快適に過ごせますよ」
「港?えーっとここからね、1時間くらいかかりますねー」
「いやでもねー、体育館にいるよりもかなりー楽ですよー」
「自宅が心配?あー確かにそうですけどね、しかしどうにもならないですよねー」
「荷物が置いてある?なるほど、そうですねー、もしかすると泥棒が入ってしまうかもしれませんねー、気を付けて下さいねー」
「あーでもねー、自宅もですねー、市の方から、損壊の度合いを判定する者がチェックするまでー、もーしわけないんですがー近づかないでほしーいんですよねー。」
「いやー余震もあったでしょー?気象庁のほーでもねー、まだ1週間くらいはー、注意するように言われてますんでー。いや、もしねー、事故が起きたら、大変でしょー」
「判定のチェックはいつ終わるか?それはねー、市の方からもねー、沢山派遣されてますしー、応援もきてますけれどもねー、なにせ数が多いものですからー、今日になるか、明日になるかはちょっとー分りませんねー」
「電気がいつ通るか?」
「これもねー、電力会社の方がねー、全国からあつまって来てますからねー、もーすぐ復旧します。ええ。ただねー、はっきりしたことは言えませんけれどもー」
「それが通るまではー、ブレーカーなんかもねー上げないようにしておいてくださいねー」
「水道についても、工事は進んでいるんでー、早急に出るようにしますからー安心してくださいねー」
「必要な情報についてはー、随時お伝えするんでー、安心して船の方に乗り込んでくださーい」

……みたいなやり取りがあるんだろうと思うわけです。
家財道具は、自宅に置きっぱなし、でかつ近づくことも出来ず、その危険度判定がいつされるか目処が立たない、でもって泥棒の怖れもあるし。電気・水道が通ってもすぐに確認できない(避難場所から遠いし)みたいな状況で、ドライに判断して自宅・アパートから遠く離れた場所に避難するっていうのができるかどうか。
いや、いっそ割り切ることができれば楽でしょうし、または現地に残っている家族がいて、高齢者や子供だけ親類・知り合いの家に預けるっていうケースならば分ります*1し、環境的にはそうした対処の方がずっと楽に過ごせるという意見も理解できますが、




はい、今から自分の家に入れません
 ↓
港に船を用意してます
 ↓
分りました、じゃあ、そこで避難します




みたいに軽くは行動できなくないですか。
日本以外の民族がどうなのかは分りませんが、これには結構な決断力がいるだろうと私は思うんですが、違うのかなー。

><

*1:ただ、そういうケースは実際にはかなりあります