雪の少ないところに住む人に

NHK:豪雪の被害がたいへん……でも、なんであんなところに人が住む?


散人先生は雪のことをあんまり知らないのだと思うので、ちょっと説明。


雪が少ない(降らない)地域の方にはちょっと想像し難いかと思いますが、大雪ってかなり大変なものです。*1


津南町十日町など、多く雪の降る地域はそれなりに、融雪溝や除雪機などの備えはあり、例年並みの雪なら問題なく過ごせるのですが、これくらいの降雪が連日続くと処理能力を超えます。また、なにも住民はのほほんと暮らしているわけではなく業者や消防団なども出ていますし、周辺市町村からの消防団・ボランティアなどの応援も既に行われています。
ただそれでも、積雪の量が多いと雪の捨て場に困りなかなか作業が進まないわけです。おそらく雪なんざ水でもかければ溶けるだろ、などと思っているかもしれませんが、そんなことをしても容易には溶けませんし、夜間だと凍結します。そのためやむなく積み上げることになりますが、屋根から雪を落としても、その雪をそのままにしておけば道路が封鎖されてしまうため、再度その雪をもっと広い場所に移動させなければなりません。
特に住宅地や商店街だと道路が狭いためにその作業も難しいものとなります。その際には車両を止めるなどして総出で「一斉排雪」なども実施しています。
参考:一斉排雪に伴う車輌通行止などのお知らせ:上越市
この場合は大型車両や重機などで一気に雪を集め、運搬します。


またこれは上越市の一部地域ですが、消雪パイプで地下水を汲み上げ過ぎたため、地盤沈下の恐れがあり、使用の制限がされています。




そうしたことを行っている中で、さらに雪崩れなどが起き、このままでは消防や業者などの手には負えないため、自衛隊への出動要請がされました。


確かに

自衛隊の本分は、一義的には外敵の侵略から国を守ることだ。雪が降ったからと言って、外敵侵入の危険が減ったわけでではない。

という意見はもっともです、ただ、雪に慣れている地元民でも今回の大雪には手を焼いています。そして災害から守るのも自衛隊の重要な任務の一つのではないでしょうか。

関連

雪についてはこちらがよくまとまっています。

あとブックマークで関連エントリをクリップしています。







そもそもの本論としては「社会的なコストを引き上げるので、そんな辺鄙なところに住まずに都市部に住むべきだ」というようなものだと思うのですが、コメント欄で指摘を受けているように、豪雪に絡めて述べたので反感を買ったように思います。


私も現在道路が封鎖されている秋山郷に、訪れたとき(夏季ですが)には「よくこんなところに住んでいるなぁ」などと思ったのは事実です。とにかく街の中心部からは遠い集落なので。


ただそれを言い出すと、豪雪に限らず離島や火山活動の活発な地域、大きな地震が発生するリスクの高い地域などはどうなんだ?といった議論になってしまうので(ブックマーク欄など)どうかと思います。


まぁ、将来的に少子高齢化・人口減少になったとき、こうした集落は自然と減少していくのでしょうけれど。




あと、これはどうでもいいことなんですが、秋山郷はとても綺麗なところですよ。今年は妻有アートトリエンナーレもありますし、良い山並みなんですが、きっと散人先生には興味は全くないだろうなぁ。

*1:と言っても私の住んでいるところはニュースになるような「豪雪地域」の半分も積もらないくらいで、今年はまだ2回しか雪降ろしをしていない、雪の少ないところですが