ダイレクトメッセージの仕組みと問題点
<追記:2015年4月>
この記事は2010年5月に書かれたもので、その後 様々な変更が加わり当時のダイレクトメッセージの仕様とはかなり変わりました。現在の仕組みや使い方についての詳しい内容はこちらの記事が分かりやすいです。
TwitterがDMの仕様変更、フォロー外でも送受信可能に。設定と使い方 - Engadget 日本版
本記事は記録のため残しておきますが、あくまで2010年5月時点での内容である点はご了承ください。
<追記ここまで>
Twitterは140字までの文章を気軽に投稿できるサービスで、先月2010年4月にはなんと13冊のTwitter関連本が発売されるなど、ここ最近とても注目されていますね。そのTwitterには、ユーザー同士で手軽にメッセージをやり取りできる「ダイレクトメッセージ」という機能があります。
この機能、一見便利に見えるのですが、仕組みやリスクについて初心者にはなかなか理解されていないようなので、まとめてみました。
ちなみに今回のエントリーの中身を140字以内で要約すると
「ダイレクトメッセージは便利に見えるけど、漏洩のリスクがあるから重要な個人情報を扱うのはNG。あとスパムも多い。それとよく誤解されてるけど、相互フォローしなくてもメッセージの送信は可能ですよ」
(96文字)
……という感じでしょうか、以下その内容を解説していきます。
はじめに
Twitterの用語は、他のウェブサービスには無い独特の言葉があります。ここまで出てきた言葉でも「ダイレクトメッセージ」「フォロー」などありますね。そうした用語については、以前まとめたのでそちらを参考にしてください。
超初心者向けのすげー基本的なTwitter用語集 - 聴く耳を持たない(片方しか)
簡易目次
ダイレクトメッセージ / DirectMessage
まずダイレクトメッセージとはなにか?から説明していきましょう。
日本語版では「ダイレクトメッセージ」、英語版では「Direct Message」と表記されています。他にも「DM」と頭文字で略したり
さっきDしたので確認してください
と「D」の一文字で示すことも多いですね。
Twitterは通常(プライベートに設定しない限り)その投稿は、誰でも見れるように公開されているのですが、ダイレクトメッセージは名称の通り、特定のユーザーに直接メッセージを送る機能で、第三者が閲覧することはできません。
Twitterの中でユーザー同士の交流するツールとしてよく使われていますね。
ダイレクトメッセージを送れる条件
ただし、ダイレクトメッセージは誰でも無差別に送れるわけではありません。送るには条件があります。
例えばこうした関係があるとします。
ユーザーAは ユーザーBをフォローしていますが、 ユーザーBは ユーザーAのことをフォローしていません。
このような関係にある場合、ダイレクトメッセージを送れるのは
ユーザーBから ユーザーAに対してのみ、です。
ユーザーAからは ユーザーBに対して、ダイレクトメッセージを送ることはできません。ダイレクトメッセージの送信の条件には相手からフォローされていることが必要になります。
これは誰にでも無差別に送れるような仕組みだと、スパムの温床になってしまうためこのような仕様になっているのでしょう。またよくダイレクトメッセージを送るには、お互いがフォロー(相互フォロー)をしていないとダメ、といった解説がありますが、このように送るだけなら相互フォローは必要ではありません。
……ですが、実際には ユーザーAが ユーザーBからダイレクトメッセージをもらっても、それをダイレクトメッセージで返すことはできませんから、ダイレクトメッセージを使うなら相互フォローしている相手にした方がいいでしょう。
この仕様を利用して、フォローされているか確認する
この「フォローされていないとダイレクトメッセージを送れない」という仕様を利用すれば、自分が相手からフォローされているか簡単に確認できます。
具体的には、各ユーザーのページ( http://twitter.com/ユーザーアカウント )で
ログインしている状態でそのページに行き「○○にダイレクトメッセージ」のリンクがあればフォローされている、なければフォローされていない、と判断できます。
ダイレクトメッセージの確認の仕方
では、実際にダイレクトメッセージの確認の仕方、また送り方を説明してきます。
まずログインして http://twitter.com/ にアクセスします。
右のサイドバーに「ダイレクトメッセージ」のリンクがあります。
ここにこれまで受信したダイレクトメッセージの件数も載っています、もしも新しいダイレクトメッセージがあれば、この件数も増えてます。
で、リンクをクリックして
(※スクリーンショットは架空のユーザー)
こうしたページで、これまでに受信したダイレクトメッセージと、送信したダイレクトメッセージを見れます。
ダイレクトメッセージを送るとき
ダイレクトメッセージを送信するとき
ユーザーのページから「○○にダイレクトメッセージを送る」をクリックすると、送信画面になります。
文字数は通常の投稿と同様140字までです。
ダイレクトメッセージの通知設定
ダイレクトメッセージが送られてきたとき、先ほどのサイドバーの件数で確認してもいいのですが、件数を憶えておくのは面倒ですね。そうしたとき、メール通知設定を行っておくと便利です。
ページ上部の「設定」から
「お知らせ機能」でメール通知を指定できます。
また、Twitterの利用にクライアントを使っているのであれば、大抵のものはダイレクトメッセージの通知機能があるので、そちらで設定してもいいでしょう。
ダイレクトメッセージと電子メールは大きく違います
これまで説明してきた、ダイレクトメッセージの特徴
- 相手と自分だけしかメッセージを見れない
- 受信・送信箱(タブ)がある
といった特徴から
ダイレクトメッセージって電子メールみたいなものなんだなー
と捉えてしまうかもしれませんが、それは大きな誤解です。電子メールとダイレクトメッセージは違うものです。
電子メールの場合
電子メールの仕組みを考えてみます。
電子メールでは送信したとき、自分のメールフォルダと相手のメールフォルダには同じものがそれぞれ存在しますよね。
で、例えばこのメールを送信者が削除したとしても、
相手のフォルダからメールが無くなってしまうわけでは有りません。相手に届いたメールは自分の手元にあるメールとは別に管理され、あとから送信者が削除することはできないです。
ダイレクトメッセージの場合
Twitterのダイレクトメッセージでは、送ったメッセージを削除すると、自分の送信タブから無くなるのは当然ですが、送った相手の受信タブからも無くなってしまいます。
つまりダイレクトメッセージは1度送ったメッセージを相手の送信タブに入っていても削除することができます。
これは電子メールとして捉えるのではなく、
喩えれば、送信者・受信者の2者だけが見れる共有の掲示板だと考えてみれば分かりやすいでしょうか。ここに書かれたメッセージは共通の場所にあるので、電子メールとは異なりそれぞれのメールフォルダにそれぞれのメールが保管されているのとは状況が違います。
同じ掲示板を2人で見ているわけですから、あとからメッセージも消すことも可能、というわけですね。
ちなみに退会するとそのユーザーから送られたダイレクトメッセージは消えてしまいます。また消す権限は送信者だけでなく受信者にもある、というのも大きな特徴です。
電子メールとダイレクトメッセージは大きく違います2:漏洩の危険性
電子メールとTwitterのダイレクトメッセージとのもう一つ大きな違いは、漏洩の危険性があること。
Twitterは、全世界的に急速に利用者を拡大しているためか、不安定で不具合の多いサービスです。最近は割合と安定してきてはいますが、投稿が送れて反映される遅延や、検索の漏れなどよく不具合が起きてます。
例えば過去に起きたダイレクトメッセージ関連の不具合で言えば
ダイレクトメッセージを誤って別のユーザーに届けてしまう不具合
Twitterの最新のバグ: “ダイレクトメッセージの誤配達” | TechCrunch Japan
本来送るはずのユーザーとは全く別のユーザーにダイレクトメッセージを送信してしまう、という不具合です。
ログインしてみたら他のユーザーのアカウントだった
http://hxxk.jp/2008/09/23/2251
別に何も不正なことをしないで、普通にログインしたはずなのに別のユーザーのアカウントになっていた……という、サービスの根幹から崩れるような大きな不具合が起きた事がありました。
ダイレクトメッセージもそうですが、もしもプロテクト(protect)なアカウントであれば通常、限定したユーザーにだけ公開している投稿なんかも読めてしまいますし、フォローの解除・blockも自由に行えてしまう……という、非常に困った事態になります。
幸いこのレベルの不具合は滅多に無いですし、ここ最近は動作も安定してきてはいるのですが、Twitterでまた同じような現象が起きないとは言いきれません。
なので、声を大にして言いたいのが
「ダイレクトメッセージは漏洩の危険性があるので、重要な情報のやり取りには使わない」
ということ。
例えば住所や本名といった個人情報や、財宝の隠し場所とか、大統領を暗殺する計画とか……。うっかり漏れてしまったら困るような情報を送信するのにダイレクトメッセージを使うのは避けるべきです。
もしも必要であればダイレクトメッセージではなく、メールアドレスを伝えて以降はそちらを使う、といった手順が良いでしょう。
ダイレクトメッセージとスパム
ダイレクトメッセージはユーザー個人と個人をつなぐ、またやり取りは公開されないことから、スパムに使われることも多いです。ただ上記で説明した通り、無差別には送れませんからスパム業者は何らかの形でユーザーにダイレクトメッセージを送らせる、という手口を使います。
TwitterでスパムDM出回る フォロワーに自動でDM送りつけ - ITmedia NEWS
「OAuth」とは 日本のユーザー襲った“Twitterスパム”の正体 (1/2) - ITmedia NEWS
パスワードを入手したり、OAuth認証をさせたり、など。
例え、ダイレクトメッセージで送られてきたとしても、そのメッセージが普段フォローしている相手が書いたものではなく、スパム業者のものであるかもしれません。安易にリンクをクリックしないで文面に不自然なことがないか確かめましょう。
また短縮URLであれば、
http://longurl.org/
TinyURL等30の短縮URLをIE/Fxで元に戻すLong URL Please | 教えて君.net
こうしたサービスを使って、展開して確認という手段をとるのも対応策の一つです。ただ、ま、URLから危険なリンクかは必ずしも判断できないので、ベストなのはリンクをクリックしないことですが。
また仮にリンクをクリックしても、安易にパスワードを入力しない、OAuth認証をしない、という対策も必要ですね。
まぁちょっと長くなりましたが、こんな感じでしょうか。
関連リンク
以前に書いたTwitter初心者向けのエントリー