災害時のラジオは本当に重宝するので、常備しておくべき
http://www.asahi.com/national/update/1023/SEB201010230047.html
奄美大島で豪雨による大きな被害がでています、電話回線も被害があり当初はなかなか連絡がとれない事態だったようでした。で、こうしたときに活躍しているのが、ラジオ。
上記の記事でも取り上げられていますが、
鹿児島県奄美大島の豪雨災害で、奄美市名瀬のNPOが運営するコミュニティーラジオ放送局「あまみエフエム ディ!ウェイヴ」(77.7メガヘルツ)が大活躍している。交通が遮断され電話がまったく通じないうちから唯一の情報源として、孤立した被災者を24時間励まし続けている。
http://www.asahi.com/national/update/1023/SEB201010230047.html
とのこと。
奄美大島での状況については、ちょっと分からないんですが個人的に身近な災害でもラジオが活躍している場面が多かったので、いくつか紹介。
私の住んでいる新潟県ではここ数年の間に大きな災害に遭うことが多かったです。
- 2004年7月 - 平成16年7月新潟・福島豪雨 - Wikipedia
- 2004年10月 - 新潟県中越地震 - Wikipedia
- 2007年7月 - 新潟県中越沖地震 - Wikipedia
これらの災害時にはそれぞれ地元FMラジオ局が活躍していました。
平成16年7月新潟・福島豪雨 - 燕三条エフエム放送
名称は「新潟・福島豪雨」ですが、新潟県で被害の中心だったのは、三条市・見附市でした。そのうち三条市の燕三条エフエム放送の当時の様子がWikipediaに載っていたので
2004年7月の新潟・福島豪雨では、通常番組を全て休止し、被災者の安否情報を中心に、避難情報、生活関連情報、三条市長による市役所からの定時・緊急電話放送を、随時放送した。このとき、ラヂオは〜と専用ラジオを被災を受けていない聴取者からの提供も受けつつ希望する被災者に無料で提供し、五十嵐川堤防の再決壊というデマを打ち消すのに効果を発揮した。ちなみに当時の三条市長高橋一夫は市長就任前、ラヂオは〜と初代社長を務めたこともあり、一連の放送を同局が行なった根拠である災害協定の締結は高橋の意向でもあった。
燕三条エフエム放送 - Wikipedia
新潟県中越地震 - FMながおか807
こちらも名称は「中越地震」ですが、被害の地域は、長岡市・小千谷市、十日町市、また川口町(現在は長岡市に合併)が中心でした、そのなかでもFMながおか807が災害時に活躍しましたね
長岡移動電話システム - Wikipedia放送内容
地震発生直後
新潟県中越地震の発生時は生番組の無い土曜日の夕方ということもあり、局内に人は不在だった。午後の生番組を終え帰宅途中で地震に遭遇したパーソナリティの佐野護は急遽引き返し約10分後に到着、ヘルメットを被っての緊急放送を開始した。その最中にも震度5弱や5強の余震でスタジオを大きく揺さぶられながらも放送を続ける。
前述の通り臨時災害放送局としての機能も果たしながら安否情報、営業店情報、生活情報を11月5日まで24時間体制で続け、11月6日-30日までは朝2時間・昼1時間・夕方2時間、12月1日-30日まで朝夕各1時間実施した。一方、外国人被災者への情報提供のため、神戸市のコミュニティ放送局FMわぃわぃの協力で、英語や中国語、ポルトガル語(日系ブラジル人向け)での放送を12月30日まで実施した。
この一連の放送スタッフの奮闘ぶりは全国マスコミにも何度か紹介され、その年度の放送関係の賞を複数受賞した。
また送信出力の増力、十日町市に臨時災害放送局・十日町市災害FM局 を開局するなどの活動もありました。
新潟県中越沖地震 - 柏崎コミュニティ放送
2007年7月の中越沖地震では、柏崎市、刈羽村、上越市が被害の中心でした。こちらでは柏崎コミュニティ放送が
中越沖地震時にはわずか1分で本来のプログラムから被災情報へと切り替えた。 スタジオの扉が開かなくなるなどのトラブルはあったものの、後日から24時間体制でテレビニュースでは伝えることが困難な「開店店舗の情報」や「物資の支給先」、「炊き出し時刻」と言った末端の情報を伝えている。
柏崎コミュニティ放送 - Wikipedia
と活躍していますね。
ラジオのメリット
私が考えるラジオのメリット。特に災害時。
簡単に聞ける
ラジオが災害に強い……というのは、受信機があれば簡単に情報が取得できる点。
有線の電話回線は線が切れてしまったらダメですし、ケータイも今回の奄美大島のように大規模な災害だと通じなくなってしまいます。また、スマートフォンなどはバッテリーの消耗も激しいので、平時では問題なくても数日停電が続いたら役に立たないでしょう。テレビも電気が無いと使えないですし。
ラジオの場合電池があれば簡単に聴けます。また最近は手回しタイプのラジオなんていうのもありますね。
これだと電池を気にすることなくいつでも聴けます。
テレビと違い、木目細かい情報が得られる
これは、豪雨水害や中越地震のときに感じたことです。
テレビの放送は確かに映像があって分かりやすいですし、被害の広がりや大変な状況なんだな……というのは伝わります。でも、
「依然として土砂は取り残されず、孤立したままです」
「停電が続いているのはn万世帯です」
といった情報は確かに得られますが、
ラジオの場合
「現在、診療を行っているのは次のところです。○○病院、□□医院……」
「ホームセンターでは消毒用の石灰を無料で配布しています」
「スーパー銭湯「△△」では、設備が壊れ入浴ができない方向けに無料で利用できるサービスを行っています」
などといった被災者に役立つ情報を伝えていました。
テレビの場合、被害の規模やいかに悲惨な状況であるか……を知るのには便利なんですが、現地でどういったサービスが行われているか?は伝えてくれません。また災害直後であってもそうですし、まして数日経ってしまうと災害ばかりに注力せず他のニュースを取り上げます。
その点、地域ラジオ局であれば自由に時間を使えますから、災害関連情報を地域で密着した形で伝えられます。
ネットと違い、知らない情報も得られる
「スーパー銭湯」のサービスならばネットで調べればいいじゃん、とか思うかもしれません。
確かにインターネットを通じて得られる情報はとても多いです、災害時も。ただ、ネットは基本的に知っている情報を調べるだけですよね。
そもそも「スーパー銭湯」でそうしたサービスを行っていること自体を全く知らなかったら、そのサイトにアクセスなんてしないでしょう。ネットを通じて調べられるのは、興味を持って知ろうとしていることだけです。
ラジオはその点、ダラダラ流しているので色々な情報が得られます。ま、歌謡曲なんかも流れますけれどもね。
テレビやネットだと手が止まるけれど
これは個人的な考えなんですが、
テレビやネット(ケータイ・パソコン)を見るとき、画面を見てしまうので同時に他の作業はなかなかできないです。で、ラジオは音声だけなのもあって、壊れた物を撤去しながらとか、浸水した畳を運びながらとか、そういった片手間でも気軽に聞けるのも大きなメリットだと思うんですよね。
まー、こんなところでしょうか。
災害の規模や種類によって、状況は様々ではあるんですが、ラジオは結構便利なので常備しておくといいですよ、という話でした。ま、普段から地域ラジオって地元の細かいイベントなんかをカバーしてるので面白いんですけれどもね。
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