ここ3年間で704冊・19万円ほどKindle等の電子書籍を購入したという話

はじめに

最初に断っておきますがこの記事は、電子書籍の今後を語り出版業界の未来を見据える……みたいな内容では全くありません。


Amazon Kindleが日本で開始されてから先月で3周年だったこともあり、改めて振り返ると私自身も電子書籍を利用し始めてからそれなりの冊数を購入したな、と再確認しました。
熱心な人はアメリカでKindleが販売開始されてからすぐに導入していたのかもしれませんが、私は数年前までは紙の書籍しか読んでいなかったものの、現在ではすっかり電子書籍の方を多く買うように変わりました。
そんな今の時点での購入傾向の変化を記録しておこう、というのがこの記事の趣旨です。将来的にはさらに心境や情勢の変動で紙の書籍中心に戻るかもしれませんし。
ですので、数年後に自分で読み返したときに楽しめるように書くのが主な目的の、極めて個人的な内容で、電子書籍についての深い知見などは期待しないでください。

私の電子書籍の購入傾向のデータ

月別の購入数の推移

まずは月別の電子書籍*1の購入冊数の推移です。
尚、今回の記事では無料の電子書籍は除き、全て有料で購入したものだけを対象にしています。また雑誌(有料でも)も対象外。

2013年2014年2015年
1月65517
2月5528
3月3104
4月329
5月47265
6月4097
7月10422
8月3527
9月0215
10月446475
11月2205
12月2811
合計155180364

それ以前の期間は2011年、2012年の2年間で合計6冊しか電子書籍を購入しなかったので、省略。

書籍のジャンル

カテゴリ冊数
漫画570
小説62
技術書25
その他47
合計704

ジャンルはざっくりし過ぎで、もうちょっと細かい分類にした方がよかったかもしれませんが、どこまでライトノベルか?少年漫画と青年漫画の違いとは?ジョジョのように雑誌を移った場合はどうする?みたいなことを考えていくとキリが無く面倒だったので雑な分類に。
「その他」に含まれるのは、エッセイやストレッチの本とか色々ですね。

購入場所のデータ

購入場所冊数
Amazon688
達人出版会6
オライリー5
Gumroad2
その他3
合計704

これはAmazonが圧倒的ですね。円グラフの意味は無かったかも。
電子書籍事業を行っているのは国内でもあるのですが、

この漫画はKindleで購入したが、こっちはBookwalkerで購入した

……みたいな混同は避けたいので、利用するのは一つにまとめるようにしています。
ここまで極端に依存すると、もしもAmazon電子書籍事業撤退となったときの不安はありますが……。
Amazon以外はDRM無しの電子書籍を販売しているサービスを利用していますね、Amazonで同じ価格だったとしてもDRM無しなら、それらで購入することがあります。また、そこでしか販売していない書籍もありますし。
ちなみにオライリーは本国版・日本版の両方を合算した数です。


購入場所ごとのさらに詳しいデータ

それぞれのサービスでこれまでに使った合計額と、それを冊数で割った一冊当たりの平均額を調べてみました。

購入場所購入合計額冊数一冊当たりの平均
Amazon171,600 円688249.4 円
達人出版会5,728 円6954.7 円
オライリー11,771 円52,354.2 円
Gumroad1,579 円2789.5 円
その他6,352 円32,117.3 円
合計197,030 円704

Amazon以外は概ね技術書を購入することが多いので、比較すると単価が高くなりますね。
ちなみにこれまでに購入した電子書籍トータルで197,030円でした。
しかし約3年間(36ヵ月)と考えると1ヶ月辺りの平均では5473円ですから、まぁ趣味に使う金額ならそんなものかなと。
本好きの人からするとこの程度は全然でしょうし。


出版社別の分類

購入した電子書籍の出版社別の分類です。

出版社冊数
角川グループ316
講談社60
集英社58
双葉社23
一迅社23
竹書房17
アーススター16
太田出版13
白泉社12
小学館11
西東社11
スクウェア・エニックス11
インプレス11
芳文社10
マッグガーデン9
秋田書店9
早川書房8
オライリー8
達人出版会6
ソフトバンククリエイティブ5
新潮社4
その他46
個人出版17
合計704

これも「角川グループ」でなく、メディアファクトリーとかエンターブレインとか角川文庫など細かく分けた方が良いのでしょうが、書籍のページに記載されている情報が割と曖昧な記述が多く、一つ一つ検証していくのが大変なので雑に分類することにしました。




購入傾向から見えてくるもの

月別の推移グラフで一目瞭然なのですが、購入冊数は波があります。

というのも、Kindleはときどき割引セールやポイント還元セールを行うので、そうしたキャンペーンの時期に一気に購入することが多いんですよね。
出版社別のグラフでも分かりやすく結果が出ている通り、

角川グループは比較的そうしたセールを積極的に行っていることもあってか、購入冊数の割合も大きいです。
具体的な事例で言うと例えば

乙嫁語り』が面白かったので、せっかくのセール期間だし、これまでの森薫作品の『エマ』シリーズ、『シャーリー』シリーズも購入してみるかな

と、セール期間だと今まで気になっていたけれど手を出していなかった作品を買いやすくなって、全巻一度に揃えたり……といった行動をよくしています。
そうするとセール期間に何十冊もまとめて購入、という感じになってしまうわけですね。




セール期間に購入が多いのは一冊当たりの平均の項目でもよく現れていますね。Kindle場合は平均249.4円となっています。

購入場所購入合計額冊数一冊当たりの平均
Amazon171,600 円688249.4 円
達人出版会5,728 円6954.7 円
オライリー11,771 円52,354.2 円
Gumroad1,579 円2789.5 円
その他6,352 円32,117.3 円
合計197,030 円704

Amazonでの総額は17万円分と多いように感じますが、最も多くの割合を占める漫画本の価格帯は概ね400〜550円ほどですから、仮に同じ688冊を紙の書籍で揃えようと考えると倍近い金額がかかってしまうでしょう。
別の見方をするとセールに思いっきり踊らされているとも言えるので、賢い買い方か?というと判断が難しいところですが。
さらに言えば購入した本を全部読み切っているか?というとそうでもなくて、いわゆる積ん読の状態になっていることもあります。実を言うと、買ってからまだ読んでいない本は100冊以上だったり……。



そうなるとセール待ちの作品も

紙の書籍の場合は、発売日に購入しても一年後でも価格が変わりませんが、電子書籍は頻繁にセールがあり、発売直後よりもしばらく待って割引セールが実施されてから購入した方が安く入手できます。
そうなると

今すぐに買わなくても、セールになってからでもいいか

と思ってしまうことも多いわけです。
特に私の場合はなにせまだ読んでいない「積ん読」の書籍も多数ありますから、今すぐに買わなければならない理由も無いですし。


そのため買い控えも検討するわけですが、こうした考えに対してはTwitterを中心に何度も取り上げられ、

出版社・作者側からすると「発売直後にすぐ購入して欲しい!」という意見が多いです。


この問題については藤原祐先生の説明が分かりやすいですね。



他方でこうした意見もあります。
参考:単行本発売直後に読者が買ってくれるようにするために田中圭一氏がやっていること - Togetterまとめ




読者からすると、どうせ買うならできれば作者さんにはプラスになる方が良いし、好きな作品は応援したいとは考えています。
連載作品なら続いてほしいですし。
……しかしながら、こちらも資金も時間も有限なので……というのもありますね。


ですから私の場合は、一番好きな作品……今だと『僕のヒーローアカデミア』は発売日にすぐ購入する、さらに電子書籍版だけでなく紙の書籍でも両方とも買う……という風に応援しています。*2
こんな風に両方買うほど熱烈にファンな作品は少ないですが、それ以外でも好きな作品ならばなるべく発売直後に購入するようにしています。
一方でそこまで熱心な読者でもなく、続きは気になるけど別にすぐに読まなくても良いな、と感じる作品もあるわけです。そういう作品は(申し訳ないなという気持ちもありつつも)正直に言えばセール待ちしていますね。


そんなわけで、自分の中で作品毎にランク付けして購入の方針を変えている、というのが現状だったりします。

まとめ

以上、電子書籍の購入傾向をデータでまとめて自己分析してみました。
この記事が面白いかはさておき、電子書籍って皆さんどの程度購入しているものなのだろうか?というのは興味があるので、購入傾向を公開するのが流行ると面白いのになー、とはちょっと思っていたり。



個人的には、年々購入冊数が増えている現状、さらに言えば読んでいない本があるのにセールなので買ってしまう……というのは我ながらよくないな、と感じているのでこの機会に少し改めようとも考えているのですが、興味のある本はまだまだたくさんあるので、また買っちゃうのだろうな、とも。




この記事はここで一旦、終わりで以下は補足だったり蛇足だったりな、まとまりのない文章です。

以下はダラダラとした箇条書き

紙の書籍から電子書籍へ移行した理由

私も30歳半ばを過ぎてますからこれまで買った本がそれなりにあるため、既に本棚が結構埋まってしまっているわけです。
そして11年前に新潟県では中越地震があって本棚が崩れたり、またそれとは違う話ですが家族の遺品の整理を行う経験もすると、不要な所有物は見直さないといけないな、と考えるようになったのが理由としてありますね。
あと、ここ何年かは近隣の書店が減ってきているというのも、紙の書籍から遠のいている要因の一つかもしれません。郊外の大規模店はあるものの、わざわざ時間を作って買いに行くという感じですし、帰り道に本屋で気軽に買い物とはいかなくなってきています。


もちろん、電子書籍の特性である携帯性の高さも気に入った要因ではあります。
オライリー本のような分厚い技術書を常に持ち運ぶのは大変ですが、タブレット端末に入れればいつでも好きな時に読めるというのはとても魅力的ですし。

まだ紙の書籍も購入しています

電子書籍版が無い技術書というのもまだまだありますし、画集や設定資料集なんかは紙で見たいのでそちらを購入しています。
漫画だと例えば『シンデレラガールズ劇場』は電子書籍版が出ないようなので、紙の書籍を購入していますが、どちらも出ている場合は基本的には電子書籍版を買うようにしていますね。

作品を知るきっかけはTwitterが多い

Twitterの利用歴は割と長く、私は2007年からやっています。
そうすると当時からフォローしている人は8年とかの付き合いになるんですよね、それくらいになると、

この人が前に薦めていた漫画が面白かったから、今回紹介したのも買ってみよう

とか

あの人のチョイスは私と合うから、こっちも面白いかも

といった具合で、Twitterの利用者経由で作品を知り、そして購入することが近年は多いです。先ほども書いた通り、書店に行く機会も減り漫画雑誌をあまり買わなくなりましたし、ジャケ買いもしなくなったので、SNSが重要な情報源になっています。
KindleセールのニュースもTwitterで知ることも多いですし。

><

*1:電子書籍の定義とはなにか?絵本調のアプリは電子書籍か?昔のCD-ROMで販売してた動く漫画みたいなものは含むのか?……と考えるとややこしいので、ここではAmazon Kindle、及びPDF, ePub, mobiファイルのいずれかで提供されているものを「電子書籍」とします。

*2:というか、堀越耕平先生の作品が好きなので前作『戦星のバルジ』、前々作『逢魔ヶ刻動物園』も、電子書籍・紙の書籍両方とも揃えているわけですが