いつ誰に届くかも分からない手紙を書くように

また君か。@d.hatena - 大したことのなさと web 文書

十万年のあいだでただ一度しか必要とされないデータであっても、その一度の機会にそれを求める誰かが I'm Feeling Lucky ボタン一発で真実へたどり着くことができるよう日夜努力してやる!

これにはかなり実感する部分があります。
このダイアリーにやってくる検索キーワードとしては「小耳症」というのが最も多いのですが、もう一つ多いのが「おびあけ」というキーワードです。


随分前にこれについて書いたところ、
id:rikuo:20040505:p2
今でもときどきこのキーワードでやってくる人が多いです。


「おびあけ」とは、新潟県中越地方で行われている風習で、生後約3週間ほどに親戚が集まって開く宴会のようなイベントのことです。
集まる親戚は女性のみで男性は参加できなかったり、男児は生後20日目、女児は21日目と決まっていたり、長子しか行わなかったりと細かいルールがあります*1


ただ、今では地元でも知らない人も多く、割と廃れた風習で私もこのエントリーを書いたときには、そんなに深く考えないでアップしたのだけに、思った以上に反響があったので驚きました。


廃れた風習なりに、嫁いだ先でいきなり「おびあけ」なる行事をやることになって、戸惑う人もいるらしく、当然ながら辞書には載っていないし、いろいろ検索したけれども情報がなくて、うちのところへ来た、ということもあるらしいです。


こんな情報はきっとこれからも、ごく一部の人しか必要にされないけれど、書いていて無駄にはならないですし、書いておいて良かったなと思いますね。


私はインターネットの特徴としては、他のメディアと比べて「待つことができる」という部分があると考えています。
例えば「おびあけ」ということを知っている、という話を毎日人に会うたびに言い続ける事はできませんが、こうやってネットに書いておくことで、自分が忘れた頃に、情報を必要としている人に届く、ということがあるというのはとても面白い体験ですし、素晴らしいと思いますね。


はてなネタを書いてブックマークされる、など反応がすぐに帰ってくるものも面白いですが、私が小耳症のことを書いているのも、そんな風に、困ってしまった人が検索してみて、ふと、このサイトに来ることがあって、なんかの情報を得て、何か前向きになれる手助けになれればなという思いがあります。
なので、今日も更新することで、いつかどこかの誰かに何らかのメッセージが届く、ということがある、と信じながら続けています。

なんとなく思い出した言葉

inside out - キャッチボール その1

ボールをインターネットの霧の向こうに投げていると、不思議なことにたまにそのボールが返ってくる。人間同士のコミュニケーションとしてはとても洗練されていないぶん、とても不思議な気分になることがあるのも確かだと思う。
ただ、とりあえずインターネットのキャッチボールで流れる時間の流れはとても速いようで、だけど、実はとてもゆっくりのような気もする。

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*1:地域によって異なることもあります