投げ銭についてとりとめのないこと
先日、
このエントリーについて、匿名と記名の方から投げ銭をいただきました。
ありがとうございます。
その事と、こちらを読んで、
妄想科學日報 - 投げ銭は死んだか
自分でも投げ銭についてどう思っているのか、まとめようかなと書いてみたのですが、ダラダラと長くなった挙句、あんまりまとまらなくなりました。
なので特に結論めいたことはありませんが、色々と考えた・感じたことなど。
投げ銭とはなんぞや?
まずはそもそも投げ銭ってなに?というところから。はてなポイント
はてなには、はてなポイントという制度があり、1円 = 1はてなポイントとなっています。
元々はてなの最初に始めたサービスが、人力検索でした。
質問者は小額の出費で知りたい情報が得られ、回答者は求められている情報を答える事で報酬が得られる、というサービスでしたからそれぞれのやり取りの為に、はてなポイント制度というのが設立されたようです。
以前は、はてなポイントを一定額以上集めると換金も出来たのですが、今年10月にその制度は終了されました。ただ、楽天スーパーポイント、Amazonギフト券には交換できるなどの利用は可能なので、好きなものが買えたりもできますね。
また、はてなアンテナ、はてなダイアリーや、はてなフォトライフ、といったサービスの有料オプションへの支払いにも使われてもいます。
投げ銭とは?
投げ銭は、そのはてなポイントを特定のユーザーに送信する機能です。
この機能が誕生した経緯はちょっと分らないのですけれども*1、後述しますがはてなブックマークから投げ銭できるようになったときの id:jkondoさんの日記でこう書かれています。
長い引用ですが
多くのインターネットユーザーが、検索エンジンを出発点として情報を検索する以上、誰でも読める場所にコンテンツを置かなくては、「本屋にも図書館にも存在しない書籍」のような存在になってしまいます。
それではどうすれば良いか?
ひとつの答えが、「読んでから課金をする」というモデルだと思います。文章を読んで、その文章には10円の価値があると思ったら作者に10円を支払う。そういう事は不可能ではないはずです。
どんなコンテンツも有料になるべきだとは思いません。多くの情報が無料であることは、インターネットの最も特徴的な点の1つですし、個人的には今後も長く多くの情報が無料で取得できる環境を望みます。
しかし一方で、創作活動に対する報酬を望む人が適切な報酬を受け取ることができる仕組みがあっても良いのではないかと思います。
単にはてな内での互助的なポイントのやり取りだけでなく、広くブログ世界に浸透し、やがてはブログ作者の生活を変えるような仕組みになることを願います。
ぜひ皆さんも、ブログ作者に投げ銭を送ってみてください。
という理念で、こうした機能が用意されているようですね。
投げ銭を送るには
投げ銭を送るには、はてなユーザー登録が必要になります。
またそもそも送るポイントが必要ですから、ポイントを購入するか、または人力検索で回答するなどして得るか、などをして下さい。
送るポイントは1ポイントから送れます。
ただし 手数料として送信ポイントの5%(小数点以下切り捨て)が送信時に自動的に領収されます。
例
- 100ポイント送信 + 100×0.05=5となり、手数料は5ポイントで、合計105ポイントが所有ポイントから引かれます。
ただ、手数料が1ポイント未満の場合は切り上げで1ポイントの徴収となります。
など。
つまり、最低でも2ポイントを持っていないと投げ銭ができません。
送る際にはそれらのことも考慮して、ポイント配分を決めましょう。
投げ銭を送れる相手
基本的には、相手がはてなユーザーなら送ることができます。
ポイント送信の文章を付けることも可能ですので、感謝の意を込めて何かメッセージを添えて送れますし、その際は相手方に送信したユーザーの名前も通知されます。
いやいや、投げ銭はしたいけれども
「名乗るほどのものじゃーございません」
という方は、匿名でも送れますがその場合はメッセージは付けることができません。
これは主に嫌がらせ防止のための措置ですね。
あと、ポイント送信に文章を書ける、のを利用した連絡手段として使うこともできます。もちろん送信にはポイントが必要になるのですが、メールアドレスなど公開していないユーザーなどに直接、メッセージを伝えたいなら一つの手段ではあります。
送る先
ユーザーに送る
はてな ポイント送信
こちらを使って、投げ銭ができます。
送り先は任意のユーザーとなります。
エントリーに対して送る
はてなブックマークから送る、ということもできます。ブックマークのエントリーページにあるボタンか、ブックマークする際に投げ銭をすることができます。
この場合は、送られる側はどのエントリーに対してブックマークされたか分る仕組みになっています。
ポイント履歴
これははてなユーザーだけですが、
はてな ポイント支払・受取履歴
http://www.hatena.ne.jp/history
こちらでは有料オプションの払い込み、人力検索で得たポイントなどポイントの履歴が確認できます。もちろん投げ銭によるポイントの履歴も見れます。
とりあえず、簡略ですが投げ銭についての説明はこれくらいで。
いただく側としての投げ銭
ポリシーとか
冒頭でも書いた通り、それほど多くはないものの、たまに投げ銭をいただけることがあります。
投げ銭をいただくのは、ブックマーク経由がほとんどですね。
いただいた時のポリシーとしては、
- その都度ここで報告する
- ポイント数は公表しない
- 匿名か記名かは書くが、記名の場合は誰からか?は書かない
といった辺りでやっています*2。
いただいたことを書くのは、なんとなくの礼儀かなと、始めたことですが、ポイント数とお名前についてはまぁ黙っておいた方がいいよなー、と思ったので。
傾向
ブックマーク経由で投げ銭をいただく、とは言っても特にブックマーク数の多寡でポイント数が相関する、といったことはないですね。傾向としてはどうかな、サンプルが少ないのでなんとも言えませんが、「ブックマークされやすい話題」がやっぱり受けやすいようにはかんじます。
まぁ、あんまり分らないですけれども。
ポイント数について
ちなみに、今までにいただいた総ポイント数は詳しく言いませんが、えーと
「ラーメンにコーンとバターで、おまけに玉子をトッピング」
という注文ができるくらい、と思っていただければな、と。
いただくポイントの傾向については、10ポイントが多いですね。送る際にあらかじめ入力されている数字が10なのも影響しているのだろうと思います。
投げ銭の使い道
総ポイントのでも書きましたが、そんなに多いというわけでもないので、Amazonギフト券に使ったりはせず、大抵はそのまま他の誰かにポイント送信をしています。
一部は、有料オプションへの支払いなんかに使ったりもしますが。
いただく側の気持ち
これはもう単純に嬉しい、です。
匿名で10ポイント、でもそうですし、メッセージがついていてもそうです。
ただ、投げ銭をいただいたから、また似た傾向のエントリーを書こう、とか、書きあげる前にこれは投げ銭もらえるかも、というのは思わないです。なにせそういう機会は稀なので。
どちらかというと、ブックマークについては意識したりしますが、投げ銭されるかどうかは分らないので、どうとも考えないです。
で、もらって嬉しいかったから、じゃ、他の人にもそのおすそ分けしようかな、みたいな気分でもらったものを元手に、こちらから誰かに投げ銭をしています。*3
送る側としての投げ銭
ポリシーとか
特に考えてなく、気分で。というところですね。
いただく側でもそうでしたが、送る側からしてもほとんどの場合、ブックマークから送ることが多いです。
そのエントリーに感激した、役に立った、参考になった、新たな視点に気がつくきっかけになった、などと、とても感動したときに、ブックマークするだけじゃなくて、なんかの感謝の気持ちを送りたいなー、と思ってポチッと送信する、という感じです。
匿名・記名
基本的にできれば匿名で送ります。
なにせシャイな日本人ですから、気恥ずかしさ満載な行為なので、なるべく匿名でこっそりと投げ銭をしたいわけですよ。しかし、でもメッセージも付けたい、というときには勇気を出して記名で送ったりもします。
本当は匿名で且つ、メッセージも付けたいところなんですが、悪用されないための仕様なので仕方ないよね。うわーん。
あと、半年以上も前のエントリーなんかに投げ銭する場合も、メッセージを付けますね。じゃないとそんな古いエントリーに突然 匿名で送られてきたら、さぞかし不信でしょうから、説明を付記して送っています。
ポイント数
ポイント数は概ね、10ポイント、39ポイント、50〜60ポイント、100ポイントくらいですね。
評価によってポイントの量を変える、ということはなくて、それもそのときの気分によります。手元のポイント数の状況や、端数がちょうどキリが良かったり、直前に投げ銭をいただいたか、といったものの方にむしろ影響されます。
39ポイントなのは39(サンキュー)とかけて、というわけではなく 一番手数料が取られない送信ポイント であるから、でもありますし、39ポイント + 手数料1ポイントで、計40ポイントの出費となるのでキリのいい数字、というのもあります*4。
逆に10ポイント送信だと、手数料1ポイントが加算されるので計11ポイントと、ちょっとキリが悪いですね。
あと100ポイントより大きいものは送ったことがないです、1人にそれだけ送るよりは、少ない額でも多くの人に送った方がイイかなと。
ちなみに、今までに私が送った総ポイント数*5は「ラーメン大盛り」が注文できるくらい、です。
記名を公表するか
メッセージを書くときには、当然ですが記名での送信となります。
その際に、送られた相手側が私の名前を公表するかどうか、については「どちらでもいい」という気持ちで送っています。額とメッセージの内容は、まぁなるべくなら伏せて欲しいかな、とは希望していますが、強制ではないです。
送るときに、公開される可能性、を考えて送信しているので、それは相手側の判断に委ねますね。
送りたい人
投げ銭ができるのは、何もはてなダイアリー利用者だけに限らず、はてな以外の blog でも、受け取ることができます。
例えば たけくまメモ さんは Account Auto-Discovery に対応されていますね。
ただやはり、はてなへのユーザー登録が必要はなりますし、Account Auto-Discovery の埋め込みが必要となりますから面倒っちゃ面倒ですが。
たまに、あぁこのエントリーに投げ銭したいのに はてなユーザーじゃないのかー、と断念することもあるので、ちょっと残念だなー、投げ銭に対応していればなー、とは思いますね。
みんな はてなユーザーになれば良いのに、とか。
[はてな脳]
送らない人
いいエントリーを読んだとしても、あ、この人に送らなくてもいいんじゃね?と思ってしまうような人
- はてなスタッフ
- こんな人も書いてます のこんな人たち
- ものすごい人気エントリー
- はてなを初めて間もない人
スタッフは仮に匿名で送ったしてもバレるンじゃね?と思ってしまうので。
こんな人も書いてます(はてなダイアリーを代表するような日記)の人たちにも送らなくていいんじゃない、と考えますね。
すごい人気エントリーは、私が送らなくとも誰かが送ってそうだし、人気エントリーになることで十分満足されてそうなので、わざわざ投げ銭をしなくていいかなー、と。
あと、はてなを初めて間もない人、は匿名はなおさらですが例え記名でメッセージ付きだったとしても、やっぱり面食らうだろう、と思ってしまうので遠慮しています。
小銭気分
現世の投げ銭は「財布に残った小銭を投げる」意味合いが結構強い。つまり小銭がなければ投げない。そしてネットでは、その小銭に相当するものが存在しないのだ。
とあるのですが、私は小銭気分で気軽に使う場合もあります。
それが、人力検索で獲得したポイント。
私はそれほど積極的な回答ユーザーではないので
たまに回答して、たまにポイントをもらうと、そのいただいたポイントは財布の中の小銭っぽい存在に思えます。人力検索というサービスをそれほど活用していないため、私自身の心理的な距離感が大きいので。
ただ、こうした捉え方は私だけでしょうが。
なので、人力検索で得たポイントは大抵そのあと何日かで投げ銭に使ってしまいます。
送る側の気持ち
送る方の気持ちとしては、「感謝」というのが大きいかな。
面白い、または役に立ったエントリーに対する行動として
- ブックマークする
- コメントに書きこむ(メール、Web拍手など)
- blogで紹介する
といったリアクションがありますが、そうではなくて直接その作者に「感謝」を伝えたい、という意図から送る、というところですね。
額の多寡については、気分、としか言えなくて、適当に決めているんですが。
投げ銭について思うこと
とまぁ、私自身の投げ銭についてのことはこんな感じなのですが、正直、いただく額でも送る額でもそれほど大きなものではないです。また、はてなで投げ銭を一番多くもらっているユーザーが誰でどれくらいの額なのかは分りませんが、それだけで暮らせていけるような方はいないでしょうね。
などという記事が以前ありましたが、まだまだ はてなではそういうスタイルは難しいかなと。
「投げ銭をもらうまでが芸」
話は変わりますが、何年か前に上野公園で大道芸人を見たことがあります。
その方はジャグリングのパフォーマーで、派手な技を見せているだけでなく、非常にテンポ良くギャラリーをいじっていましたね。「これから難しい技に挑戦するので、拍手で応援して下さい」とか、子供と一緒にジャグリングをするとか。
そこではリアルの投げ銭をしていたのですが、遠巻きに見ていた私の近くでこういう会話が聞えてきました
「あんな技ができるなんて、すごいねー」
「まぁ、確かにああいう人たちはあれで生活しているからね」
「でもいかにお客さんから、嫌みなくお金を入れてもらうかまでが芸なんだよ」
それを聴いてなるほどなーと。
そのパフォーマーの人も、色々とお客さんいじりをして、単なる「通行人 と 大道芸人」からもうちょっと親近感が沸くような演出をしたり、
「今日はここまでバイクで通ってきたんですが、帰りの荷物が重くならないように、軽いお金(つまりお札)を入れてくれるとうれしーんですよねー」
みたいな台詞で笑わせたり、いざお金を入れてもらう段になったら、お辞儀をしたまま帽子を差し出して目を伏せ、いくらお金を入れたか?または入れないか?を視線で確認しない、といった気配りをするなど色々と考えられているな、と感じました。
優れた技で楽しませる、ことも重要ですが、如何にしてお客さんを楽しませてイイ気分のままで投げ銭をしてもらうか、というのも重要なテクニックであるのだなと思いましたね。
で、翻ってそれを Webの投げ銭でどう実現できるか?というと、そういう演出は大変だよなーと。
投げ銭OKみたいなバナーはありますが、
これで嫌みなくアピールできるか、というとそうでもないでしょうしね。
Webのものは、元々閲覧をするだけなら対価はいらないわけですし、私自身もそうですが投げ銭を送る方としても、気恥ずかしさみたいなものがあるので、なかなか積極的にはなれない面もあって、そんなに頻繁にやりとりがあるというわけでもないです。
あとは、身銭を切っている、というのもちょっと気分的にはありますね。まだアフィリエイトで還元、といった形の方が気軽かなー(お礼アフィリエイトとは - はてなダイアリー)。
というわけで、投げ銭についてはパッとしたアイデアはあんまり無いです。
ただ一つは提案するなら、細々とでも小さくても、様々な機会を増やしていければ、いいんじゃないかな、とは思いますね。
送るチャンスを与えること
個人的にも、はてなブックマークから送れるようになったのは大きく、投げ銭機能はそれ以前からあったわけですけれど、それまで1度も使ったことありませんでした。それが、直接エントリーに送れるようになった、という手順の簡略化と対象の明確化がされたは有効でした。
例えば具体的には、先日からダイアリー、アンテナで実装された共有デザイン機能、これの作者に投げ銭が送れる機能があれば、そこでも投げ銭の機会があるんじゃないでしょうか。
参考
もちろん、作成したユーザーに直接 投げ銭をする事は今の仕様でもできるのですが、個々のデザインに対して直接送りたいですから、実装して欲しいですね。
まぁ、こういう形で、少しずつ投げ銭の機会が増えていく、のが普及の1歩なのかなー、と思ったり。
最初にも書きましたが、あんまりまとまらなかったまま、尻つぼみですがこの辺でおしまい。
参考リンク
- 九尾のネコ鞭 - はてな投げ銭活性化はホワイトバンドに学べ
- 北の大地から送る物欲日記 - 投げ銭、支払い方や手数料にまつわる考え
- 手数料の分りやすい比較表があります、あと「たれ銭」(Moleskin Diary - 投げ銭よりたれ銭)というアイデアが面白いです。
- 北の大地から送る物欲日記 - 投げ銭を投げて受けて、また考えてみる
- id:hejihoguさんの実際に投げ銭を受けた額やデータなどが詳しく分析されています
- 香雪ジャーナル - ぶくま投げ銭は「インフラの整備」、そして――はてなブックマークに投げ銭が実装されて――