言葉の削除依頼について

先日、削除依頼をした方からメールがありました。
その方は小耳症のお子さんを持っているそうで、たまたま紹介のエントリーを読んでその内容を引用ではなく ishii-kさんが書かれたものと思い、メールを送ったとのことでした。
ただ、僕のページは以前に見たことがあるそうで、当然そこにも「奇形児」と書かれているわけですが、「小耳症とは〜うんぬん」という文章はどこの小耳症のページでも似たり寄ったりの内容なので、飛ばし読みをしていて「奇形児」という表現は目に入らなかった、とのこと。
そのために引用元の僕のところには削除依頼は来なかったようです。

表現の仕方、言葉の選び方

というわけで、発端は勘違いから始まってしまったのですが、僕の文章で不快になったのは事実ですし、今回の件で引用元の僕のところにも同じ文章があると知り、適切ではないのでは?という意見をもらいました。
その方によれば「奇形」という言葉よりも「奇形児」の方がより好ましくないと感じる、と。代替的な表現としては「形成不全」という表現の方が適切ではないか、と。


また過去に小耳症のコミュニティ*1で「奇形」という表現をされた方に対して反発があった事例を紹介して下さいました。


親の立場からの指摘には真摯に受け止めますし、また「形成不全」という表現があることも参考になりました。*2ただ、それでも今回は「奇形児」を削除はしません。

使う理由

使う理由の前に、僕がホームページを続けている理由として小耳症のことを知ってもらう、という目的があります。
正直なところまだまだこの病気のことは認知度が低く、「僕は小耳症なので」などと言っても医師でも「?」というリアクションをされます。知らないがゆえに、火傷でああいう耳なんだ、と思われたりもしますし。
なので、まずは知ってもらうというのが一つの目的です。
もちろん相手は何も知らない、普通の人なわけですから、そのときに「形成不全」よりは「奇形児」の方が分かりやすいのではないか?と考えています。「奇形児」という言葉にはマイナスの要素も含まれている部分はあるとも分かっていますが、僕はそれよりも分かりやすさ、というメリットを選択します。


また、これは僕自身のことなのですが、日常生活で人に説明するときには「奇形です」と言っています。たぶん「形成不良」などとは言ったことはまずないですね。また自分自身でも「奇形児」だと思っているので、「形成不全」という言葉は縁遠い印象を持ってます。
ですので、特に自己紹介のページにおいてはこれからも使うつもりではいます。



そうは言っても

他の小耳症、また形成不全の方に対しては「奇形」と使うことはないです。今までもこれからも。
あくまで自分に使う場合に限ってですね。


また、正直なところ別に「奇形」という言葉に対して、ものすっごい思い入れがあるわけでもなんでもないので、今後 抗議が多数来たら面倒になって、削除してしまうかもしれません(弱腰)。

反省と今後

今回の件については、言葉の使い方について、より慎重であるべきという大きな教訓になりました。また言葉の受け止め方は人によって様々であることも肝に命じて、今後もサイトを続けていきたいと思います。

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*1:小耳症にはメーリングリストや、小耳症の話題を中心としたBBSなどがあり、そこで情報交換などがされています。

*2:余談ですが僕は「形成不良」だと思っていました、その表現なら使っていましたし。