共有する楽しさ、共有しない楽しさ

昨日からずっと、PICTAPS にはまっているのですが、上のエントリーでも書いた通り、noughts とは違って評価する仕組みがないため、良い作品が流れてしまう、というのが不便ではあります。




ただこの不便さ、これは一つの戦略なんじゃないかなと。
PICTAPS はとにかく新しいイラストが次々にアップロードされていくわけですから、閲覧者の目に触れる機会は少ない訳です。また誰が描いたのか?という情報も何もつけられないので、そのままじゃ埋もれてしまいますし、流れてしまいます。


じゃあ、どうするか?というと、それぞれのイラストには Permalink がありますから、それを

  • ブログで紹介する
  • メールで友人に紹介する

といった手段で、誰かに伝えることが多いでしょう。同時にこのサービスの説明なんかをするわけですから、口コミ効果も高くなります。


例えば「PICTAPS」「http://roxik.com/pictaps/」をYahoo!ブログ検索で探してみると

こちらの通り、多くのブログで紹介しています。


もしこれが、noughtsのようにランキングする仕組みがあり、また一つ一つのイラストに誰が制作したのかの記述も載せられ、そこだけで評価が完結してしまうと、そのことに満足してブログなどで紹介しない、……かもしれません。


その所為ばかりではないでしょうが、noughtsの方が言及数が少ないですね*1



不便だからこそ、口コミ効果が高い、とも言えるかもしれません。
もちろん、そこまで意図したものかは分かりませんけれども。



共有できない面白さ

また、お絵描きツールの一つ Sketch Swap はさらに「不便」とも言えるでしょう。


このサービスは描いたイラストを友人に紹介する、とかブログにリンクを貼りつける、なんていう事もできません。描いたイラストを見れるのは、1人だけというものです。
イラストを投稿すると、それと交換に他の誰かが描いたイラストが見ることが出来る、というサービスです。


言わばイラストの交換日記、みたいな感じのサービスなんですが、これはこれで面白いんですよね。
相手がどこの誰か分らない上、せっかく頑張って描いたのに、変なイラストが表示されたりしてガッカリだったりすることも多いのですが、自分の描いたものがどこにいるかもしれない誰かに届く、と思うと描いていてわくわくします。
一時期は日本からの参加者が非常に多かったのですが、基本的に英語圏の利用者が多いので、たまにドラゴンボールのイラストを描いて放流して楽しんでいます。
それで、相手が喜んでくれるかどうか?もやはり分らないのですけれど、こっそりとメッセージを送るみたいなそういう感覚が他のサービスには得難いものですね。


今回紹介した三つのサービスは、

  • Flash を使っている
  • 絵を描く過程が再現される

という共通点こそあるものの、その仕様の違いで随分とコミュニケーションの仕方が大きく異なる点で面白いなと思います。


もっとも便利でコミュニティとして単独で成り立っているのは noughts ですが、他の2つも「不便」だからこその楽しみ方があります。どの機能をどう取り入れるかは制作者側の考え方や哲学もあるのでしょうが、こうして違いを比べて見ると、興味深いです。

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*1:おそらく、トップページにものすごい上手いイラストばかりなので、参加し難いというのもあるでしょう。少なくとも私はそうです、描く過程も明らかので気恥ずかしいですし。上手いイラストを観るのは大好きですが。