はてなブックマークのネガコメにプンス力問題って
はてなブックマーク、またはソーシャルブックマークがネガティブな感情を生み出してる、という問題なのかな。
私は、ネガティブな感情をそれらのツールが作り出しているわけではなく、単に可視化されているだけ、だと捉えているのだけれども。
ネットじゃなくて、例えばテレビを見てるときに、芸能人に向かって誰だって文句言ったりすると思うわけですよ。
「このニュースキャスターの人も年取ったなー」
とか
「現場の映像に切り替わったけれど、音声がつながってないじゃん、ちゃんとやれよ」
とか。
もし、その様子をこっそり録画して後から見返したりすると、きっと「テレビがネガティブな感情を生み出してる!」と思うはずです。
って、そんなわけないじゃん。
たぶん、大なり小なりネガティブな感情っていうのは頻繁に噴出しているわけで、それはよくあることなんじゃないかと。
で、これまでだったら自分の家でニュースキャスターに文句言っても、本人に聞こえるはずはなく、一部の人が電話をテレビ局にかけたり、わざわざプレゼント当選を狙って投書をして、それに多少感想を添えることでそうした状況が判明する、っていうくらいだっただろう。
でも、今はネットがあるからそれが気軽に発信できる状況になってるわけで、多く目に付くようになった。けれど、それはネガティブな感情の量が増えた、というより、もともと誰にも届かなかったものが単に見えるようになっただけなんじゃないかな。
あとブログをやってる人だと分かりやすいと思うけれど、例えば1000人が見てくれたとして、コメント欄に書きこんでくれる人ってせいぜい1人くらい。けれど、ソーシャルブックマークだと10人とかがコメントをくれたりする。
それを見ていやいや、ソーシャルブックマークなんかでコメント書かないで、コメント欄に書きこんでくれよ、とかソーシャルブックマークのせいでコメントの数が減ったんだ、って考えるかもしれない、でもそれは違って。
正直コメント欄に書きこむのって面倒なんだよね。
こんにちわ、いつもこっそり読んでいます。素敵な文章と写真ですね
○○さんの撮る写真というか、着眼点はとてもユニークで感心しています
みたいな枕をつけて、書きこむのとかやってらんないし*1、また返答コメントがついてないか気になって、2.3日後で再度訪問*2したりして、本当メンドイなー、と。
その点、ソーシャルブックマークだと気軽に感想を書けるっていうのが断然、楽。
で、1000人いたとして面倒な手間を惜しまずにコメントを書きこんでくれる1人以外は、例えエントリーの内容が気になったとしてもスルーして通りすぎてしまっていると思う、ソーシャルブックマークが無くてもね。
しかし、ソーシャルブックマークがあるから、気軽にリアクションを発信できるだけ、ということなんだと私は考えてる*3。つまり、これまでにスルーしていた999人の感想を聞く機会が増えた、ということに過ぎないじゃないかな、と。
その点は はてなブックマーク然り、Twitter然り、ニコニコ動画*4然り。従来ホームページ、ブログとかで情報発信とかに比べて、手軽に短文で情報を発信できるこれらサービスが生まれたことで、これまで以上に閲覧者の意見を聞けるチャンスが広がって来るんじゃないかなー。
それってプンス力する問題ではなくて、歓迎する方向じゃないかなー、というのが私の考え。
ただし、可視化されることでネガティブな感情が惹起されるかもしれない
テレビを見たときの感想の例えの続きだけど、こういうこともあるだろうな
自宅で見ているときは
男A「うーん、この番組ちょっと面白くないなー」
くらいだとして、翌日学校で友人と
男A「よぉ!昨日のあの番組見たー?」
(ちょっと面白くなかったけれど……)
男B「あー、見た見た、つまんなかったなーあれ」
男C「もうあの芸人、騒いでばかりで全然笑えねーし」
男B「滑ってたのを、無理やりテロップと笑い声のSEで誤魔化してたよな」
男A「あ、ああ」(そーなんだ……)
男B「もうダメだな、あいつら、来年には消えてる芸人決定」
男C「まーそうだろな、まぁ夏くらいには消えてるよ」
男A「そ、……そーだよなぁつまねーよな、あいつら」
みたいな感じで、周囲の人間に流されて、最初は「ちょっと面白くない」くらいだった評価が「つまらない」とより、ネガティブな方向に強調されてしまう、ということは起こり得るわけで。
ネットの場合、ニコニコ動画でネガティブなコメントやタグを見たときに、「へー、そうなのか」と思ってそれから見る動画に先入観を持って見てしまうこともあるだろう。もちろんはてなブックマークでも。他人の感情も可視化されることで、自らの感情にも影響を受けてしまうのでその弊害も起こる。
ただ、ネガティブな方向だけでなく、ポジティブな方向にもその影響はあるので、一概に悪いとも言えないと考えているけれど。
私のネットのメタファーは「広場でビラを配ってる」
公開する事のリスクと儀礼的無関心 - カナかな団首領の自転車置き場
詳しい内容はそれぞれリンク先を参照して欲しいのだけれど、
- id:kana-kana_ceoさん:「広場で絵を描いている」
- id:kanoseさん:「広場で演説をしている」
という喩えをしていて、それぞれに違う捉え方があるのだろうな、というのが感じれて面白い。
ま、あくまでメタファーはメタファーなんで、そこにこだわって議論するものでもないけれど、という前置きをしつつ私の捉え方を書くと
「広場でビラを配ってる」
かなと。
ビラっていうと、語感が悪いのでフライヤーと言い換えてもいいけれど、ビジュアルてきなイメージだとこういう感じ
フライヤーの場合、ログが残る、というか手元に残るのであとから読めるし、という意味もあるけれど、
ま、言いたいのはネットって世界中の人が読む「可能性はある」ものの、実際ほとんどの人がスルーで受け取ることもない、ということ。
上で1000人が……、という例えを出したものの PV で1000あったとして、エントリーの最後まで読んでくれる人ですらどの程度いるか。基本的にフライヤーなんて手渡された瞬間からゴミみたいに扱われ……それどころか、そもそも受け取ってもらえすらしないので、反応が得られるのは極々一部しかないよなー、という辺り。
アクセス数の少ないサイト運営を長く続けていたせいか、こういう捉え方になるわけだけれども、そういう身からすると、手軽にリアクションを得られるはてなブックマーク、ソーシャルブックマークというのは有り難いツールだと思ってる。
関連リンク
このメタファーは過去に書いたこのエントリーを短くまとめたものなので、より詳しくはこちらへ。
ちなみにフライヤーなので、うかつなことを書いたらうっかり本人に渡してしまったりとか、広場の掲示板なんかに貼り付けになってそれを見た人同士で議論になったり、などというイメージも。
審査が終わったそうなので
「公開デザイン2008春」の審査を行いました - はてなダイアリー日記
コンセプトの説明とか。
Icarus
YouTube - Jungle Smile - 翔べ!イカロス
をイメージして作りました。
随分前からスケッチレベルですが構想をしていたものの、どうもうまくまとまらないので、放置プレイしていたものです。
はてなハイクですと
http://h.hatena.ne.jp/rikuo/9236539339694461163
こういう方向性で描いてみたり。
こちらもそうですね。
http://h.hatena.ne.jp/rikuo/9245600642683863583
これは Illustrator で描きましたがこういう構図も。
他のデザインでももちろんエスキースは何枚も描くのですが、主題とタイトルは早く決まったものの構成はなかなかまとまらなかったですね。
結局、ピクセルで描いて、それを2倍に拡大して表示させる手法に落ち着いたわけですが、
これは表情を細かく描くことを避けて抽象性を高めたいからでした。上で紹介したもの以外でもシルエットにしてみたり、眼の部分を黒い四角で潰すとか、何かで隠すとか様々に試してはみたものの、アンチエイアリスのないピクセル表現でなら、閲覧者が表情を想像する余地があるのではないかな、と考えてこのデザインにしました。
それが狙い通り活かせているか、はちょっと分かりませんが。
カスタマイズ
シンプルな透明gif画像しか使っていないので、背景色を変えるだけで簡単にカスタマイズできます。
もうちょっと手を加えるなら、空の写真なんかを配置してもいいかもしれません。
Jungle Smile のほかの曲も
「おなじ星」も好きなので、同じようにモチーフにしたものを作ってみたいですね。
propaganda
公開デザイン「propaganda」 - はてなダイアリー
プロパガンダポスターというのが好きなので、作って見ました。
旧ソ連や、東欧圏あと中国などプロパガンダポスターなどの力強い人物表現や、描写、デフォルメ具合がグッときますね。ただ、プロパガンダなものであっても壁画とかには興味はなく、むしろ黒と赤だけの2色刷りのフライヤーなどが線が太く人物が誇張されて描かれているので、良いです。
ま、同時代の映画のポスターなども好きなので、プロパガンダにこだわりがあるわけではなく、単に1色刷り、2色刷りで巧く構成された当時のデザイン、そして印刷物に興味があるわけですが。
作風としてはそういう雰囲気を目指したのですが、題材は はてなの会長兼マスコットの id:hatenacinnamon こと しなもんです。
どちらかというと「お約束」というか、「またか」というか……まぁネタ投稿です。利用者はきっと少ないでしょうし、賞に引っかかるとは考えていませんが、こういう公開デザインがあっても面白いかなと。
個人的には割とかわいい感じのイラストを描いてきたのですが、たまには凛々しい雰囲気のしなもんも描いてみたいな、という意図もあります。
3カラムとは言え、サイドバーの1つにしなもんの写真を並べているのは文字通りの「propaganda」です。
cremation
公開デザイン「cremation」 - はてなダイアリー
こちらも、はてなハイクでスケッチを投稿しています。
http://h.hatena.ne.jp/rikuo/9236540729254173809
テーマとしては「buried」が埋葬なので
公開デザイン「buried」 - はてなダイアリー
そちらとの対比を考えて作りました。
ただ、詰めが甘くて構図にしても全体の構成にしても不満が残る出来でした、というかヘッダ画像が大きくなり過ぎたのでもっと小さくすれば良かったですね _| ̄|○
なので、また再度作ってみたいモチーフです。
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