はてなダイアリー成り立ちと日記サービス

現在いくつもサービスを提供している株式会社はてなが、初めて人力検索はてなというサービスをリリースしたのが2001年、その後2002年にはてなアンテナをリリースし、はてなダイアリーは2003年1月にベータ版を開始しました。
当時は「ブログ(blogもしくはweblog)」という言葉も一般的でない時代です、はてなダイアリーはてなブログではないように、当初はWeb日記サービスとして公開されました。
Web Archiveに残っている、そのころのトップページの紹介文にはこう書かれています。

http://web.archive.org/web/20030118105023/http://d.hatena.ne.jp/

はてなダイアリーは、ブラウザから簡単に更新ができるウェブ日記です。日記中の言葉をキーワード化することにより、共有の辞書のように使う事もできます。

http://web.archive.org/web/20030118105023/http://d.hatena.ne.jp/

というように、「ブログ」という単語は一つも出ず、あくまで日記サービスとしてアピールされていました。


で、はてなダイアリーに限らず当時の日記サービスの特徴としては
日付で日記を管理する
ということ。
つまり典型的なのはこのような日記ですね

項目は分けるもののあくまで「日記」ですから同じ日付の中で管理する、また日付を単位に管理するという考え方です。ですので
編集画面も

日付で管理するわけです。
当時は1日に一つの記事を書く、というスタイルが主流でした。コメント欄も、当然日付単位ですから 12月2日の日記には一つのコメント欄、という形式でしたね。
繰り返しますが、これは当時の日記サービスでは良くある仕様でした。


「ブログ」以前は

「ブログ」の時代

ブログが登場してから日付単位での管理が変わりました。
例えば livedoor Blogアルファブロガー小飼弾さんの2008年12月1日の更新は、このようになっています
screenshot

話題が様々なのはいいとしても、それぞれがページとして連続していませんよね。
ブログでは、このように「一つの記事」つまりエントリー単位で管理、また他のブログから評価されるわけです。1日に複数の記事が書かれ、コメント欄もトラックバック欄も日付ではなくエントリー毎にそれぞれ配置されるようになります。
こうしたことは livedoor Blog に限らず他のブログサービス、また個人ブログで広く使われるようになります。大雑把に言えばブログ時代になったことで、日付単位ではなくエントリー単位での管理になりました
現在はそちらの方が主流ですね。

「ブログ」時代のはてなダイアリー

ブログモード

そうした現状を踏まえて、本来日付単位で管理するはてなダイアリーにも

  • 「他のブログサービスのようにエントリー単位で管理したい」
  • 「エントリー毎にコメント欄・トラックバック欄がほしい」

という要望が多く寄せられるようになりました。
そこで、はてなダイアリーにも2005年4月に機能追加がされ「ブログモード」というものが導入されます

これは文字通り、はてなダイアリーという日記サービス「ブログっぽい」ことができるというものです。今のはてなダイアリーでは使い始めた初期設定からこのモードが選択されています。
冒頭で挙げられている、id:Cherenkovさん、id:takerunbaさん、id:amachangさんがこのようになりますね。はてなダイアリーでもエントリー単位で同じ日付の他のエントリーとは一緒に表示されず、コメント・トラックバックも個別の記事として表示されることになります。

「日記モード」

しかし、一方でエントリー単位で管理するのではなく従来通り、日付単位で管理したい、そうした日記を書きたいというユーザーも多くいました。
具体的には私がそうで、現在このダイアリーは「ブログモード」ではなく「日記モード」で書いています。そのため、同じ日付で連続した日記を書けるわけですね。

例えば上のリンク先は同じ内容で、単に表示位置が異なるだけなのが分かるかと。
(ちなみに「ブログモード」と「日記モード」の中間てきな「日記モード・見出し別ページ」というのもあるんですが、面倒なのでここではスルー)




というわけで、整理すると

まとめ

  1. はてなダイアリーは元々、日記サービスだったので日付単位で管理していた。
  2. ところが、ブログ時代になりエントリー単位で管理するサービスが増えた
  3. なので、はてなダイアリーにも「ブログモード」が導入された
  4. でも、従来通り日付単位で管理することもできるので、2つの仕様が混在することになった

ということになります。
ひとことで言えば「色々仕様追加した結果、古いものが残ってたりするのでややこしい」ということですね。
経緯としてはこんな感じの説明になるでしょうか。