Twitterで140字小説はじめました
「冷やし中華はじめました」のニュアンスで。
Twitterでは @rikuoのアカウントで2007年4月から利用しているのですが、
http://twitter.com/TheLastWill
先月から、Twitterに新たにアカウントを取り、そこで140字の小説を書いています。目標としては、1日に1回以上更新で先月25日から開始して現在まで55件とまぁまぁのペース。継続することが大事だと考えていますから、コツコツと続けていく予定。
ちなみに過去の投稿はこちらにまとめてあります。
g:rikuo:keyword:Twitter::TheLastWill
経緯
そもそもは、小説家の円城塔さん(@EnJoeToh)(公式サイト)による140字小説のアカウント、@EnJoe140 を見てこういう手法もあるのかー、と真似した*1ところから始めました。
というわけで、スタイル自体は別段オリジナルではありません。
狙い
この形式そのものは、上の段でも書いた通り模倣ですが、以前からTwitter上で何か面白いことができないかなーとは模索していました。
Twitterで同じ形式の発言を続けて投稿する、というネタや
Twitter百物語、という形式の怪談ものを連作で書いたり
http://friendfeed.com/search?q=Twitter%E7%99%BE%E7%89%A9%E8%AA%9E
など。
そうした投稿をしてたものの、通常の @rikuo のアカウントではごく普通の投稿などもするので、どうしてもそうした内容だと浮いてしまうため、やりにくいなー、という問題意識はありました。
で、アカウントを分けてそれで投稿するのならば、そうした制約から抜けられるのでいいんじゃない?と考え、はじめてみたわけです。
形式について
原則1つの投稿で、1つの物語、という形式にしています。これはTwitterの特性上、なかなか複数の投稿を把握し難いためです。特に数百人や千人以上もフォローをしている方のタイムラインではそれが難しいでしょう。
私が知ってる範囲で日本でTwitterで小説を書くユーザーの嚆矢は @kaerucarさんですが*2、その問題……投稿の読み難さ……を解決するためブログでまとめられています
kaerucar
これはこれで1つの解決方法なんですが、それだったら1つの投稿で完結した方がいいのではないか?と考えて、私はこの形式にしています。
Twitter小説の現状について
始めたときは、それほど多くなかったTwitter小説なんですが、先日このダイアリーでも議論をまとめたり
Twitter小説についての発言まとめ
ケータイ小説家の内藤みかさん(@micanaitoh)がTwitterで小説を書かれたりしたこともあって、急激に状況が動きましたね。
せっかくだからハッシュタグで、みんなでこの140字小説を一緒に楽しんでみませんか(≧∇≦)? twnovel というタグネームでいかがでしょ? #twnovel
http://twitter.com/micanaitoh/status/2777785075
ハッシュタグについて説明しておくと、Twitterの投稿につけるタグ・カテゴリーのようなもので(Twitterにユーザー登録しないとまとめて見れないのですが)(Twitter検索を利用すれば見れますね)このハッシュタグで共通のテーマや物事について語ることができる仕組みです。
というわけで、現在はこのハッシュタグを使って、多くの人がTwitter小説を綴っています。うーん、これならわざわざ別アカウント作らなくてもよかったのかなぁ…… orz
今あるのは
といったところのようですね。
今後とか
こうして動きの速いのがTwitterの特徴ですが、流行があっという間に消費され廃れてしまうのも特徴でもあります。ハッシュタグでTwitter小説を綴ることが、定着するのかそれとも一過性の盛り上がりだけで終わってしまうのかは予測できません。
ただ、私自身はせっかくアカウントを取ったので、細々でも淡々と更新し続けていこうかなー、というのが目標だったり。
おまけ:140字に収めるコツや工夫について
小論文の書き方レベルの内容ですが。
140字は短い
Twitterの大きな特徴として投稿文字数が140字という点が挙げられます。20字詰の原稿用紙言えば7行と非常に限られた文字数ですから、なるべく文字数を抑えて沢山の内容が書けた方がいいでしょう。私がこれまで書いてきて、気がついたコツや工夫などを紹介します。
英単語を使わない
例えば、「Twitter」と「ついったー」の場合どちらが少なく済むでしょうか?
言葉 | 文字数 | バイト数 |
---|---|---|
7字 | 7バイト | |
ついったー | 5字 | 10バイト |
バイト数で言えば「Twitter」の方が少ないですが、Twitterでは投稿文字数は、バイト数ではなく文字数で上限が決まります。つまり、この場合は代替する日本語があるならそちらを使えば文字数が少なくなります、
具体的にTwitter用語だと
言葉 | 文字数 |
---|---|
Follow | 6字 |
Followers | 9字 |
Following | 9字 |
フォロー | 4字 |
Friends | 7字 |
フレンド | 4字 |
Favotter | 8字 |
ふぁぼったー | 6字 |
movatwitter | 11字 |
モバツイッター | 7字 |
モバツイ | 4字 |
など。
実際には「フォロー」といっても
- フォローが(名詞として)
- フォローする(サ変活用動詞)
と使い方はケースバイケースですが、概ね英単語を使わない方が文字数を削減できるわけです。
カタカナ語を使わない
こちらも上と同様、分かりやすい例で言えば
言葉 | 文字数 |
---|---|
ピッチャー | 5字 |
投手 | 2字 |
キャッチャー | 6字 |
捕手 | 2字 |
ヒット | 3字 |
安打 | 2字 |
アンパイヤ | 5字 |
審判 | 2字 |
主審 | 2字 |
ホームラン | 5字 |
本塁打 | 3字 |
パーフェクトゲーム | 9字 |
完全試合 | 4字 |
となります。
野球用語は割と言い換える言葉が定着していますが
言葉 | 文字数 |
---|---|
チャペル | 4字 |
教会 | 2字 |
セレモニーホール | 8字 |
式場 | 2字 |
などはどうでしょうか。「ピッチャー」と「投手」、または「スタジアム」と「野球場」ではおそらく言葉のイメージはそれほど違いはないでしょう、ただ「チャペル」と「教会」では受ける印象が異なるのではないでしょうか?
「ハンドバック」を「鞄」、「スーツ」を「背広」、「ビジネス」を「仕事」とも言い換えることはできますが、ニュアンスは変わってしまうでしょう、そこら辺をどの程度考えるか、文字数も含めて判断する部分ですね。
言い回し
今度は言いまわしについて
言葉 | 文字数 |
---|---|
私は青い鳥を見ることができました | 16字 |
私は青い鳥を見れました | 11字 |
私は青い鳥を見れた | 9字 |
青い鳥を見た | 6字 |
例えばこのように言い換えると、文字数を削減できます。
これも小論文を書く際に、習ったと思いますが「ですます調」に比べ「である調」の方が文字数が少なくて済みます。こうした文体がふさわしいかどうかも考慮の1つです。これが女性の台詞なのに「青い鳥を見た」ではおかしいですから、「見ました」と書かなければならないでしょう。状況によりけりで考える必要があります。
また、最後の「青い鳥を見た」については「私は」すら無くししていますね、主語を省略するのもテクニックの1つです。あまりやり過ぎると分かり難くなりますから、そこら辺も適宜判断で。
まぁ、ざっくりとこんなところでしょうか。物語の作り方というよりも、小手先のテクニックで中高生の国語レベルの段階ですが、参考になれば。
物語の作り方、書き方についても方法論てきなものはあるにはあるんですが、私自身まだ固まってないのでそれは別の機会に。
あとは蛇足ですが
もう1つの狙い
日本でもTwitterの利用者が急速に増えています。
で、誰もが数百から数千もフォローではないでしょう、おそらく今後は知り合いだけをフォローして数十人程度の輪で固まるケースが(人数的に)主流になるのではないか?と考えています。
そうしたときに、その輪に入るのは
有名人
ガチャピン(@gachapinBlog )のような幅広い層に愛される著名人、有名人、スポーツ選手など
ツール
Twitterの話題が分かるばずったー(@buzztter)や、料理のレシピを返してくれる @recipetterのような便利なツール
こうしたものが数十人の輪に入り込めると思うのですが、もう1つの方向性としては
単体で楽しめるコンテンツ
1つの投稿でそれだけで楽しめる、というものが今後そうしたあまりフォローを増やすのに積極的でもない層にも訴求力を持つのではないか?と考えています。
Twitterで話題になるのは、そのネタの背景にニコニコ動画に関連していたり、ユーザーに関連していたりとなかなか単体それだけで理解し難いものが多いと思うんですよね。で、Twitterの1つの投稿単体だけで理解できる、前後関係なく分かるものがこれから受け入れられるんじゃないかなー、という予想。
新聞でいうところの4コマ漫画てきな位置付けで、入っていけるんじゃないか?と目論見で、Twitter小説を書き始めたというのもあります*3。
まぁ結果として、ハッシュタグで流行ってしまったのでその目論見はどうもうまくいかないっぽいですが…… orz。
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